マレーシアで2校だけのオーストラリアンスクールに行ってみた。
- 管理人
- 3月15日
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更新日:3月15日
オーストラリアン・インターナショナル・スクール・マレーシア(AISM)は、2000年に設立され、25年以上の歴史を持つ名門校です。マレーシアクアラルンプールにはオーストラリアカリキュラムの学校は2校だけで、本校はそのうちの一行になります。
学費ランクでは高額レベルにランクされる学校ですが、その設備の充実度、教育のレベルに対して、生徒数がもそこまでは多くなく、非常にゆったりとした環境で学ぶことができます。

同校は、マレーシアのセリ・ケンバンガンに位置し、オーストラリアの教育カリキュラムを提供することで知られています。
AISMでは、全校生徒数は約500名で、そのうち60%がインターナショナル生徒、40%がマレーシア人で構成されています。生徒の国籍は多岐にわたり、30以上の国から集まっています。特に日本人の生徒は全体の11%を占めており、6年生には7名の日本人生徒が在籍しています。これらの生徒は2クラスに分かれており、それぞれ3~4名ずつ配置されています。
同校は、幼稚園から12年生までの教育を提供しており、各学年に2クラスずつ設けられています。ただし、9年生のみ3クラスが編成されています。学年構成は以下の通りです:
1年生から5年生:プライマリースクール
6年生から8年生:ミドルスクール
9年生と10年生:シニアスクール
11年生と12年生:大学進学準備課程

AISMでは、ハウス制が導入されており、全校生徒が4つのハウス(スバッシュ、ピマ、トップ)に分かれています。これらのハウス名は、オーストラリアの元オリンピック選手であるパット・ラフター、ルイ・ソバージュ、キャシー・フリーマン、イアン・トックに由来しています。生徒は入学時にいずれかのハウスに所属し、ハウスカラーのTシャツを着用します。
教員陣は多国籍で、70%が外国人教師、30%がマレーシア人教師で構成されています。特に、全教員の50%がオーストラリア人であり、残りは南アフリカ、ニュージーランド、イギリス、インドなどからの教師が在籍しています。ジュニアスクールではオーストラリア人教師が多く、ミドルスクールやシニアスクールでは多様な国籍の教師が指導に当たっています。
ミドルスクールに進級すると、1日5コマの授業があり、各科目ごとに教室を移動しながら学びます。これは大学のようなスタイルで、1時間目は英語、2時間目は数学、その後ホームルームが設けられています。ホームルームでは、学校生活について教師と話すことができる時間となっています。午前11時に朝の休憩があり、2時間の授業の後、午後1時半に昼食が取られます。昼食後、午後2時から最後の授業があり、午後3時に授業が終了します。また、月曜日から木曜日まで、最低1つの課外活動(CCA)に参加することが求められています。

英語が母国語でない生徒のために、AISMでは英語サポートプログラム(EAL)を提供しています。入学申請後、アセスメントとインタビューを行い、追加の英語サポートが必要かどうかを判断します。英語サポートクラスには2つのレベルがあり、レベル2は英語がほとんどできない生徒向けで、約3か月間の集中指導を行います。レベル1は、基本的な英語力があり、少しのサポートが必要な生徒向けです。最終的な目標は、通常クラスで英語の授業や他の科目を理解できるレベルまで引き上げることです。
試験は年に2回、ターム2とターム4に実施されます。ターム1とターム3には、保護者と教師の面談が行われ、学習の進捗状況について話し合います。オーストラリアのカリキュラムでは、試験と課題の割合が50:50で構成されており、これは大学進学の準備にも役立ちます。試験結果は保護者用のポータルで確認でき、生徒の成績が他の生徒や世界中のオーストラリアカリキュラム採用校の生徒と比較してどの位置にあるのかを把握することが可能です。


AISMでは、演劇教育にも力を入れており、特に法律を学ぶ予定の生徒たちは、選択科目として演劇を取ることが多いです。これは、人前で話す自信をつけたり、表情のコントロールを学ぶのに役立つからです。また、音楽の授業も充実しており、希望者にはバイオリンやギターなどの特定の楽器を専門的に学ぶプライベートレッスンも提供されています。
レッスン料を支払うことで受講可能となっており、専門の講師がマンツーマンで指導を行います。こうした個別指導の音楽レッスンは、学校の正規カリキュラムの一環として受けられるため、音楽の才能を伸ばしたい生徒にとって大きなメリットとなっています。
また、AISMの特徴的な教育方針の一つに、探究型学習(Inquiry-based Learning)が挙げられます。この学習方法は、生徒自身が問いを立て、調査を行い、解決策を見つけるというプロセスを重視しています。例えば、社会科の授業では、歴史的な出来事について単に暗記するのではなく、「もし当時の指導者が違う選択をしていたらどうなっていたか?」といった仮説を立て、生徒自身が考察を深める機会が設けられます。このような授業を通じて、AISMの生徒は論理的思考力や問題解決能力を養い、国際社会で活躍できる力を身につけていきます。


キャンパス内の設備も充実しており、広々とした校庭、最新の科学実験室、アートスタジオ、図書館、ITラボ、さらには専用の演劇ホールまで完備されています。特に図書館は、オーストラリアの最新の教育カリキュラムに対応した書籍がそろえられており、生徒が自由にリサーチや読書を行える環境が整っています。また、校内には屋外プールや体育館もあり、水泳やバスケットボールなどのスポーツ活動が盛んに行われています。生徒の体力向上だけでなく、協調性やチームワークを学ぶ場としても機能しています。


AISMの卒業生の進路は非常に幅広く、多くの生徒がオーストラリア、イギリス、アメリカ、カナダなどのトップ大学へと進学しています。オーストラリアの大学では、シドニー大学、メルボルン大学、モナシュ大学などが人気の進学先となっており、医学、エンジニアリング、ビジネス、法律など多様な分野で活躍する卒業生がいます。特に、AISMではオーストラリアの教育カリキュラムに基づいた指導を行っているため、オーストラリアの大学への進学がスムーズであり、多くの生徒が希望する進路を実現しています。
また、AISMでは保護者とのコミュニケーションを大切にしており、定期的に保護者向けの説明会やワークショップが開催されています。特に、異文化理解を深めるためのイベントとして「インターナショナルデー」があり、各国の文化や伝統を紹介する機会が設けられています。このイベントでは、各国の料理を提供したり、民族衣装を着た生徒がステージでパフォーマンスを披露するなど、学校全体が活気に満ちた雰囲気に包まれます。

このように、AISMは単なる学びの場にとどまらず、生徒が多文化に触れながら成長できる環境を提供しています。国際的な視野を広げ、将来のキャリアに直結するスキルを育むことを目的とした教育方針は、多くの保護者や生徒から高く評価されています。
今回訪問して思いましたがこれだけの設備や環境をこのコストで満喫するためには、英語の実力を上げて最初から100%楽しみたいですよね。まずはリーズナブルに語学を高めてから転校していく。そんな留学の道筋もあるのかな、、とおもった訪問でした。すばらしい環境!VIVA!AISM!
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